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外国語の時間3 目次ページ よいこ MSCB  
200501022>060304外国語の時間3から変更
MPO
multiple private offering
一般に「転換価額下方修正条項付転換社債」
現時点での当会の定義では、
上場企業の発行する「転換価額修正条項付私募転換社債型新株予約権付社債」
を指します。
…というと、「ではMSCBとどう違うのか」という質問があるでしょう。
これには絶対的な境界線(定義できる違い)はありません。
それでは回答にならないのでMPOの一般的商品設計を挙げておきます。

MPOの商品設計 赤字はMSCBとの相違点)
@経営状況があまり良くない上場企業が日本国内の実在する会社(たとえば野村証券)に
  対して割り当てる(私募)
A転換価額はほぼ時価
B転換価額より株価が安くなると、転換価額が自動的にその株価とほぼ同じ価格まで下がる
  (転換価額修正条項)
C金利はつかない
D発行会社と証券会社が何か握っているはずだが、現時点では不明。
  (一定の期間、市場で売らないとか…)
 です。 

再掲 MSCB 外国語の時間2
このCBの典型的な商品設計は
@資金繰りに詰まった日本の上場企業が海外のペーパーカンパニー(要は匿名の投資家)に対して割り当てる(私募)
A転換価額が時価より低い(普通のCBなら時価より3〜30%高くするのが普通)
B転換価額より株価が安くなると、転換価額が自動的にその株価とほぼ同じ価格まで下がる(転換価額修正条項)
C金利はつかない
である。 

解説
 それだけではよくわからないので業界紙のコピー。太字は当会が勝手にやりました)

日経金融新聞より(抜粋)
 CBを引受証券会社が一括購入するような形の資金調達は「マルチプル・プライベート・オファリング」(MPO、随時
転換促進型の第三者割当増資)と呼ばれる。
野村の場合、七本とも転換価格を毎月修正する条項が付いており、直近一定期間の株価の平均値に九割程度を掛
けた値を転換価格とするのが最大のポイントだ。
転換価格は時価近辺をわずかに下回る価格に毎月変更され、それに合わせて野村が保有CBを株に随時転換、購
入を希望する機関投資家を見付けて相対で売る仕組みだ。
企業は「時価発行増資などに比べ、市場で自社株の需給が一気に緩むのを防げ、株価への悪影響を小さくできる」
(宇部興)利点がある。「ヘッジファンドに株が渡るのも排除できる」(ミサワHD)。低格付け企業でも機動的に資金調達
でき、ゼロクーポン債で引受手数料もかからないためにコストも安く済む。
半面、資金調達額が確定した後に株価が大きく下落した場合、転換価格が下がって発行株数が企業の想定以上に
増えるリスクがある。
(当会注 文中の「転換価格」は「転換価額」を指す)

…なんだそうです。
というわけで、当会は
MPOは「大手証券会社等がリスクをとって引き受け、株を大口客に転売してさやをとるもの」
MSCBは「実態不明の会社が引き受け、会社と共謀した株の空売りで既存株主を殺すもの」
と大ざっぱに定義しました。(当会の勝手な断定)

事例を見る
 MPOMSCBの初歩的な見分け方を当会なりに考えるため、双方から適当に1社選んで
 比較表を作ってみました。
 もっとくわしいことや一般論を知りたい方は
 @いろいろな発行会社のプレスリリース(法定広告とか)
 A業界の専門家のサイト(例:isologue
 などを参考にして下さい。
 あくまで当ウェブサイトは「無免許・無資格・無保証」です(トップページ参照)。
 株式投資は計画的に。
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MPOMSCBの事例比較 (黄色いマスが大きな相違点、太字が注目点)
MPO
MSCB
社名 吉野家ディーアンドシー メディア・リンクス
証券コード 東9861 ヘ2748  (現在上場廃止)
社債名称 第1回無担保転換社債型
新株予約権付社債
第1回無担保転換社債型
新株予約権付社債
発行日 2004年11月15日 2003年8月25日
発行総額 100億円 10億円
第2回と合わせて18億円
発行総額
÷時価総額
約10%
100%超
(第2回と合わせると200%)
発行価額 額面100円につき100円
(社債の券面額と同じ)
額面100円につき100円
(社債の券面額と同じ)
利率 0% 0%
当初転換価額 180,000円(↓の7% 16,120円(↓の10%
↑決定時の株価 168,000円 17,910円
転換価額の
修正
毎月第三金曜日
5日間の終値平均の5%
上下に修正あり
上限 270,000円
(当初転換価額の1.5倍)
下限  90,000円
(当初転換価額の半分)
(発行決定時時価の54%)
毎日
3日間の終値平均の10%
下方修正のみ


下限 7,000円
(当初転換価額の43%)
(発行決定時時価の39%)
引受先
野村証券

(その後大口顧客を見つけたら転換して
 売るらしい)
香港を中心とした海外法人に募集
(後日、「○○limited」という、いかにもペーパーカ
ンパニーな会社が引き受けたというプレスリリース
があったがHP閉鎖のため確認できず)
その後の株価
(あくまで参考)
おおむね5〜10%安 まっさかさま
備考
米国産牛肉輸入停止中
実は発行したということ自体
ウソだった(それで社長再逮捕)
探訪FMリンクス 探訪Fノ2
吉野家 豚丼の具 30食入り
MリンクスのCBはなんちゃってモノですが、典型的でわかりやすいので挙げてみました。
やっぱり当会的に見たポイントは、
@「転換価額の下限÷発行決定時の時価」と
A「その時期に発行されたCB 全部の発行総額÷発行決定時の時価総額」
Bそもそも公募できる上場会社が私募でやる理由と割当先
 ですかね。
@の値が小さければ小さいほど (0.5あたりが限度か?)、
Aの値が大きければ大きいほど (0.2以上で注意、0.5を超えたら危険?)
Bの説明が不自然なら不自然なほど 
 MSCB度が高い「あぶない会社」みたいです。(当会の憶測)

備考
1.本稿は日経金融新聞2004年6月18日号および「isologue-by磯崎哲也事務所」の記述を参考に
  しております。なお、当会メンバーは上記の方々とはほとんど関係がありません。
2.本稿は大***(仮名)様のリクエストにより作成いたしました。

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