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一般に「転換価額下方修正条項付転換社債」
現時点での当会の定義では、
上場企業の発行する「転換価額修正条項付私募転換社債型新株予約権付社債」
を指します。
…というと、「ではMSCBとどう違うのか」という質問があるでしょう。
これには絶対的な境界線(定義できる違い)はありません。
それでは回答にならないのでMPOの一般的商品設計を挙げておきます。
●MPOの商品設計● (赤字はMSCBとの相違点)
@経営状況があまり良くない上場企業が日本国内の実在する会社(たとえば野村証券)に
対して割り当てる(私募)
A転換価額はほぼ時価
B転換価額より株価が安くなると、転換価額が自動的にその株価とほぼ同じ価格まで下がる
(転換価額修正条項)
C金利はつかない
D発行会社と証券会社が何か握っているはずだが、現時点では不明。
(一定の期間、市場で売らないとか…)
です。
再掲 MSCB 外国語の時間2
このCBの典型的な商品設計は
@資金繰りに詰まった日本の上場企業が海外のペーパーカンパニー(要は匿名の投資家)に対して割り当てる(私募)
A転換価額が時価より低い(普通のCBなら時価より3〜30%高くするのが普通)
B転換価額より株価が安くなると、転換価額が自動的にその株価とほぼ同じ価格まで下がる(転換価額修正条項)
C金利はつかない
である。
●解説●
それだけではよくわからないので業界紙のコピー。(色太字は当会が勝手にやりました)
日経金融新聞より(抜粋)
CBを引受証券会社が一括購入するような形の資金調達は「マルチプル・プライベート・オファリング」(MPO、随時
転換促進型の第三者割当増資)と呼ばれる。 野村の場合、七本とも転換価格を毎月修正する条項が付いており、直近一定期間の株価の平均値に九割程度を掛 けた値を転換価格とするのが最大のポイントだ。 転換価格は時価近辺をわずかに下回る価格に毎月変更され、それに合わせて野村が保有CBを株に随時転換、購 入を希望する機関投資家を見付けて相対で売る仕組みだ。 企業は「時価発行増資などに比べ、市場で自社株の需給が一気に緩むのを防げ、株価への悪影響を小さくできる」 (宇部興)利点がある。「ヘッジファンドに株が渡るのも排除できる」(ミサワHD)。低格付け企業でも機動的に資金調達 でき、ゼロクーポン債で引受手数料もかからないためにコストも安く済む。 半面、資金調達額が確定した後に株価が大きく下落した場合、転換価格が下がって発行株数が企業の想定以上に 増えるリスクがある。
(当会注 文中の「転換価格」は「転換価額」を指す)
…なんだそうです。
というわけで、当会は
MPOは「大手証券会社等がリスクをとって引き受け、株を大口客に転売してさやをとるもの」
MSCBは「実態不明の会社が引き受け、会社と共謀した株の空売りで既存株主を殺すもの」
と大ざっぱに定義しました。(当会の勝手な断定)
●事例を見る●
MPOとMSCBの初歩的な見分け方を当会なりに考えるため、双方から適当に1社選んで
比較表を作ってみました。
株式投資は計画的に。
MPOとMSCBの事例比較 (黄色いマスが大きな相違点、太字が注目点)
MリンクスのCBはなんちゃってモノですが、典型的でわかりやすいので挙げてみました。
やっぱり当会的に見たポイントは、
@「転換価額の下限÷発行決定時の時価」と A「その時期に発行されたCB 全部の発行総額÷発行決定時の時価総額」
Bそもそも公募できる上場会社が私募でやる理由と割当先
ですかね。
@の値が小さければ小さいほど (0.5あたりが限度か?)、 Aの値が大きければ大きいほど (0.2以上で注意、0.5を超えたら危険?)
Bの説明が不自然なら不自然なほど
MSCB度が高い「あぶない会社」みたいです。(当会の憶測)
●備考●
2.本稿は大***(仮名)様のリクエストにより作成いたしました。
VC一夜漬管理者へのまじめな連絡はPEF03-lj(アットマーク)infoseek.jpまで。
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