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銘柄 プラス株式会社
証券コード 非上場 業種 オフィス家具・文具の製造販売 主幹事 −
類型 まぼろし型 (当会が勝手に認定)
●業績● (百万円)
2000年3月9日付で株式会社に組織変更。
●ファイナンス概要●
●解説●
この話は謎の壷10「未上場企業が親会社だと公開できない」わけ の続きでもあります。
謎の壷10で
「わざわざ好き好んで非公開会社をそんなふうにする経営者は、まずいません。」
と書いたところ、
「親会社が子会社を公開させるため(だけ?)にわざわざ公募をして継続開示 会社になった」
というまぼろしの大技が確認されました。
それは2000年に、プラス(非上場)が継続開示会社となって子会社アスクル(店2678)を公開
させた、という事例です。
●講評●
これは見事なプロの仕事です。きっちり最低限の募集行為をやってます。参考:私募の壷
この調達がアスクルを公開させるための手段であることはまず間違いありません。お金のため
の調達なら絶対こんなことにはなりません。株式会社アイアンドアイに1,999株割り当てれば、 何の届出も許認可も必要ありません。これは確たる意思を持って50人以上に割り当て、1億円 以上の調達にしているのです。
このスキームはもちろん合法的なものですが、その実施のためには、2社公開させるのとほ
ぼ同じだけの労力と費用がかかっているものと思われます。他でも述べましたが、公募をす るための有価証券届出書には2年分の監査済の決算書を添付しなければなりません。その後 は毎年監査を受けて有価証券報告書を提出しなければなりません。
プラスとその主要株主がそこまでして守りたかったのは何なのか、そんなことは当会には知
る由もありませんが、スタッフの人たちは大変だったろうなーと思います。 こんなぐでぐでなスキーム(補足も参照)がはじめから固まっていたとは到底思えません。準備 作業中には「軌道修正という名のリセット」もあったんではないでしょうか。 ……_| ̄|○
それにしても、アスクルの公募での調達金額が約85億円、売出しによる創業者利益が
約113億円、主幹事のみずほ証券とサブ(2番手)の野村證券は数億円の手数料ですか。 それだけ手に入るんなら1億円の公募も食玩に付いてるガムみたいなものですね。これくら い規模が大きければ面倒な注文も通るというものです。
もしかしてあの1億円の資金使途はこれから先の監査費用だったりして(当会の憶測)。
ま、それはそれとして
売上を単純合計しても10億円行くか行かないかっていう零細企業グループに対して、
「届出書を出せば公開できる」なんて講釈を垂れる自称ベンチャーキャピタリストがいます。
周りにそんな人がいたら、お茶に毒を盛って眠らせるしかないですね。
そんな会社にとっては1億円は大金。毎年の監査費用も大金。監査法人の相手をするスタッ
フだっているわけがありません。
こういうスキームは会社とオーナーがある程度裕福で、子会社の企業価値がよほど高くない
と実現しないんです。
●補足●
なお、プラスの有価証券届出書によれば、発行会社とそのグループは、まず
千代田文具(1947年設立)>>プラス(1959年商号変更)>>>>>>>>>>>>>>>
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>プラスプロパティ(2000年商号変更)
↓営業の全部譲渡↓
(有)ジェイビーエムエムアール(H12設立)>>>プラス(2000年組織変更・商号変更)
というような資本関係の変更を行っています。
そして、もともと「旧」プラスの子会社であったアスクルを、新規公開の目論見書提出時には、
「新」プラスの子会社(53.86%)にしているのです(プラスプロパティの持株は7.11%)。
例の増資はこういった関連会社整理の後に実施されたものです
注:当会は払い込んだかどうかはまでは確認していません。
この移動ひとつにしても、税務や会計のプロが相当な注意を払い、発行会社は多額の報酬 を払って実行しているはずです。フツーの未上場企業が真似できる話ではありません。
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