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探訪BトランスG  目次ページ  資本政策探訪
20030824>20030914ちょっと加筆   ワラント再譲渡の壷 ワラント放棄の壷

銘柄      株式会社トランスジェニック
証券コード   マ2342
業種       バイオ
主幹事     大和証券
監査法人   監査法人トーマツ
類型      モラルハザード型  (当会が勝手に認定)

業績  ファイナンス一覧 投資倍率 講評 

業績●                       (百万円)                     
1999年3月 2000年3月 2001年3月 2002年3月
売上
58
105
357
193
経常利益
1
9.8
9.0
-626.9
当期利益
0.3
-11.7
1.3
-635.0

ファイナンス一覧
日時
発行株
発行済
株数
発行済
株数
(含潜在) 
発行価額
(行使価額)
割当先
時価総額
(百万円)
調達額
(百万円) 
設立 1998年4月
220
220
220
50,000
社長他
11
11
第三者
割当@
1998年6月
200
420
420
50,000
県財団
10
21
第三者
割当AB
1999年
  7月-10月
800
1,220
1,220
50,000
社長&投
資育成
61
40
WB@ ↑と同じ頃?
2,000
1,220
3,200
50,000
社長他
161
第三者
割当CD
2000年
 7月−11月
1,400
2,620
4,620
  50,000
VC
 社長 他
231
70
WBA 2000年11月
4,000
2,620
8,620
50,000
社長持
株会社 
431
ストック
オプション@
2000年11月
710
2,620
9,330
50,000
役職員
467
第三者
割当EF
2001年1月
1,150
3,770
10,480
250,000
VC
ファンド
2,096
230
ストック
オプションA
2001年1月
91
3,770
10,571
200,000
役職員
2,114
ワラント
譲渡
2001年3月
1,900
(移動)
3,770
10,571
250,000
(1株当り)
社長
→VC
2,114
ワラント
行使
2001年3月
6,000
9,770
10,571
50,000
社長持
株会社 
&VC
3,171
300
第三者
割当G
2001年3月
1,650
11,420
12,221
300,000
VC他
3,666
495
ストック
オプションB
2002年4月
705
11,420
12,926
400,000
役職員
5,170
株式分割 2002年5月
1,000
分割
11,420,
000
12,926,
000
 260,000
5,170
合併 2002年6月
37,500
11,457,
500
12,963,
500
5,170
第三者
割当HI
2002年6月
2,425,
000
13,882,
500
15,388,
500
400
VC他
6,155
970
株式分割 2002年10月
3分割
41,647,
500
46,165,
500
6,155
公募 2002年12月
15,000,
000
56,647,
500
61,165,
500
180
11,010
初値 2002/12/10
235
14,374
6ヵ月後 2003/6/10
172
10,520
主に目論見書P52とP111以降を参考にしました
新株引受権付社債については逆算による推定が含まれています。
失効したストックオプションは最初からないものとして表示しています。

投資倍率
取得価額
  IPO
初値 
6/10
最高値
(2003/2/4)
株価
− 
180
235
172
297
社長・創業株主
・県の財団
16.7
 10.8倍
14.1倍
10.3倍
17.8倍
役職員 
(オプションA)
66.7
2.7倍
3.5倍
2.6倍
4.5倍
VC等投資家
(第三者割当EF)
83.3
 2.2倍
2.8倍
 2.1倍
3.6倍
VC等投資家
(第三者割当G)
100
1.8倍
2.3倍
1.7倍
3.0倍
VC等投資家
(第三者割当HI)
133.3
1.4倍
1.8倍
1.3倍
2.2倍
公募で買った人
 180
1.3倍
1.0倍
 1.7倍
   実際には追加投資を行う投資家が多いので、各投資家の全体的な投資倍率はそれぞれ違
います。


講評
 これほど社長にやさしい資本政策も珍しいでしょう。
「10倍程度ではたいしたことはない」とお思いの方は、もう一度をご覧下さい。
社長はここで1,900株分のワラントを投資家に売却しています。
ワラントバリュー25万円はどうやら、株式時価−行使価額という計算のようです。WB発行時の
譲渡代金は500円ですから、1株あたり500円で買った証券が500倍になった計算です。
そうしますと売却代金は…
1,900×250,000=475,000,000   
 
当時のキャピタルゲイン課税約123.2百万円(利益の26%)を控除しますと、
社長様のキャピタルゲインは351.7百万円でございます。
そのお金のうち200百万円でWBAを行使します(持株会社経由)。
社長様は発行会社の約30%を保有した上、150百万円の現金がお手元に残ります。
それだけではありません。公開時の公募では会社と合わせて2億円以上のキャピタルゲインが
あったものと思われます。
まさに、バイオテクノロジーによるジャパニーズドリームでございます ・:*:・( ̄▽ ̄ )。・:*:・

でも、ちょっと待ってください。
社長の手にしたキャピタルゲインはどこから来たのでしょう。
どうしてVCの投資倍率は低くなってしまったのでしょう。
 その原因は、投資採算より社長の利益優先した安易なWB発行にあります
(当会の主観的断定)
しかもそのワラントを放棄せず、他のVCに譲渡して社長のワラント行使代金を捻出してまで、
全額を行使するという選択を各VCが採ったことです。
その結果、VCファンドの資金は発行会社の研究開発でなく、社長の財布の中へ、そしてその
金が自分の投資採算を低くするために使われてしまったことになります。
 とくに、社長のシェア拡大のためにWB を発行して出資者の投資採算を犠牲にした日本アジ
ア投資*注のモラルが疑われます。       参考:ワラント債の時代

*注1:WBAを全額引き受け、社長の持株会社にワラントを全額譲渡している。WB@もJ社が
    引き受けたのかもしれないが、目論見書に開示されていないので不明。
*注2:しかも自社の運営するファンドにこのワラントを買わせている。

2003年9月14日加筆
おまけ
元々5万円額面なのに1,000分割して単位株制度をとるのは何でだろ〜???

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