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20030318>20040204MSCB>無意味なエピソード追加>20050103MPO
●前ふりの追加●20030929
「日本語の時間2」を「外国語の時間」に改題しました。
理由は言うまでもありません。全部横文字の略語だったと気が付いたからです(本当)。
当期利益を株数で割ったものである。
上場株投資、少なくとも日本株投資においては、来期予想利益÷発行済株式数によって算出 するのが普通である(と思う)が、日本のVC投資においては、その他に 直近の確定した当期利益÷(発行済株式数+潜在株式数)で算出することもある。 その理由は @未公開企業の来期の当期利益など信じられない A潜在株(新株引受権、新株予約権)が無視できないほど大量に出ていることが多い
からである。
なお、発行済株数が少ない過小資本の会社においてはEPSが大きくなる。そういう会社に対 して高EPSを理由に高い株価で投資すると、投資して株数を増やしたことによってEPSが激減 する。そういう会社においては発行済株数を2倍にすることは簡単だが、それだけ金を入れて も当期利益が2倍になることはまずない。 ●PER●
株価が1株あたり利益の何倍まで買われているかを表す指標。
PER=株価÷EPS であり、(当期)利益×PER=時価総額でもある。おまけ PERは株価がEPSの何倍になっているかを算出することにより上場企業の株価の高い安い を抽象的にヨコ比較できるようにしたものである(タテ比較は抽象的にしなくてもできる)。 PERが高いということは将来の成長が期待されるということであるが、その期待が裏切られる ことが多いのは言うまでもない。
また、利益水準があまりに低い場合の高PERは無意味である
●DCF方式● ディスカウントキャッシュフロー方式 DCF方式 詳細な事業計画をもとに、数年分のキャッシュフローと、数年たった後での企業価値を算定 して加えたものを企業価値とする。なお、「ディスカウント」というのは、それぞれの数値は将来 のものであるため、加算する前に割引率(金利に諸条件を勘案していじった数値)をかけて現 在価値を算出するからである。 なおDCF方式は本来ある程度収入・収益が客観的に予測できる不動産やプラントの価値評 価に使われるべきものであり、成長過程の未公開企業の企業価値算定には適さないと考える 人間も少なくない。また、かなり緻密で実現可能な事業計画を作らないと算定することすらでき ない上、割引率を恣意的に設定することによっていかようにでもなるという欠点がある。 日本国内の未上場企業で、
DCF方式で株価算定しているところは、99%インチキ
であると思ったほうがよい(当会の認定)。
だいたい、売上と営業利益と経常利益くらいしか出ていない計画なのにDCF方式で株価を算
定できるのはおかしいのだ。
日本のこの業界ではこのレベルのツクリが過半数ではないだろうか。
DCFで試算するときにはいくつかのシナリオに基づきにつきシミュレーションするはずだが、
そういうプロセスを記載した株価算定は見たことがない。 最近、DCF方式による企業評価がボツボツ行われてきて、DCFを使う人間は高級でPERを 使う人間は幼稚だというようなことを言う人間もいる。しかしPER方式が簡易DCFの一種で あることを知っている人は少ない。 ●SPS● 1株あたり売上高 上場株投資、少なくとも日本の新市場株投資においては、来期売上高÷発行済株式数によ って算出するのが普通である(当会の認識)が、日本のVC投資においては、株数を「発行済 株式数+潜在株式数」で算出することが多い。その理由は潜在株(新株引受権、新株予約権) が無視できないほど大量に出ていることが多いからである。場合によっては実際の売上高÷ 株数で出す場合もある。 ●PSR● 株価が1株あたり利益の何倍まで買われているかを表す指標。 PSR=株価÷SPSであり、売上×PSR=時価総額でもある。 おまけ PSRは株価がSPSの何倍になっているかを算出することによりベンチャー企業、とくに赤字 またはPERで評価しようのない低利益の企業の株価の高い安いを一応抽象的にヨコ比較でき るようにしたものである。PSRが高いということは将来の成長が期待されるということである が、その期待が裏切られることが多いのは言うまでもない。 ともかく会社の価値が売上の何倍にもなるというのは異常なことである。 それは特殊な業種・業態によって爆発的売上増加が見込める会社に対するものでなければな らない。 ネットバブルの時期においては、インターネット関連コンサルティングやソフト開発の会社の ように、作業量(人力)と売上がほぼ比例するような普通の業態の会社まで「PSR○倍」で時価 発行増資をしたが、それに見合う企業価値を創造した会社はほんの一握りであった。
20040321追加
ITバブルの2000年頃「ジャフコのPSR6.8倍」という指標が現場に出回った。もちろんジャフコ
(東8595)のPSRではない。ジャフコがヤフー(東4689)、マスターネット(現 ゼロ:ヘ4697)、イン ターキュー(現 GMO:店9449)等6社のPSRを平均した6.8倍が、IT企業投資の株価基準だ、と いうことだそうだ。 要は、投資したい先の売上もしくは来期売上÷株数×6.8=投資株価 というのである。 実際この指標で株価評価をして本当に第三者割当増資を行ったVBが何社かあったようだが、 それで成功したという話は聞いたことがない。 20030929追加
●EBITDA● (エビットディーエー/イービットディーエー)
Earnings Before Interest, Tax, Depreciation and Amortization 要は税前利益+支払利息+減価償却費であり、金利・税金・償却前利益とも言われる。 会計基準や税率などによる影響を比較的小さく抑えられる指標として、米国等で企業 (とくに 大企業) の経営・事業買収・国際的ヨコ比較の際に指標としてかなり重要視されていた。
ところがあの破綻したワールドコムが、経費にすべきものを設備投資扱いにしたりしてEBITDA
を高く見せる粉飾を行っていたため、その重要性や信頼性まで一緒に損なわれてしまったよう である。 VCではあまりなじみのない指標と思われるが、それゆえに決裁会議の場で使用すれば 知ったかブリの出向役員どもを煙に巻くことができるだろう。 なお、エビータ と発音する人もいるらしいが、化粧品やミュージカルとは関係がない。 ●EBITDA倍率● 時価総額÷EBITDA
または (時価総額+負債-保有現金)÷EBITDA
時価総額(もしくは企業買収費用)がEBITDAの何倍かということを表す指標。 と言ってもわかりにくい方には「PERの変化技」と言った方がいいかもしれない。
あるVCが公開企業のEBITDA倍率の平均データを投資判断の指標(おそらくIPO株価の)とし
て使っていると聞いた会員某が 「それじゃあウチでもやってみよう!」 とスタッフに言ったところ、 「EBITDAは1社づつ決算書をいぢらないと出来ません。」 と言われ一瞬で却下されたそうである。 もし会員某がEBITDAの何たるかを知っていたならば、そんな質問はしなかったであろう。
「時価総額=当期利益×PER」
以下説明する
株価÷EPS=PER
株価=EPS×PER 両辺に発行済株式数を掛ける 株価×発行済株式数=1株あたり利益×発行済株式数×PER EPS=1株あたり利益を代入 時価総額=当期利益×PER …同様に 「時価総額=売上×PSR」
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