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●まえふり●
2002年商法改正で、日本のVC投資の資本政策は大きく変わりました。
もっとも大きな変化は ・新株予約権にはバリューがあるということになった ・無料で発行された予約権を行使する場合、時価と行使価額の差が所得として課税される
●発行価額と行使価額による四分類
●行使時課税と税制適格●
上の表の(1)を無償で発行したものが旧法の「ワラント」とほぼ同様の証券です。
ただし… この予約権をオーナー社長に割当て、社長が行使した場合、相当額の税金を支払う必要があ ります。 例: 時価5万円の時代に新株予約権2,000株分を社長に割当てた場合 (昔風に言うと1億円のワラント) これを時価50万円のときに1億円工面して行使します。 この時点で社長には(50万−5万)×2,000=4億5千万円の所得があったとみなされます。 おそらく2億から2億5千万くらいの納税が必要です。(根拠:所得税法施行令84条) こ れ は ひ ど い 。
国税庁の定める「税制適格」の条件を満たせば行使時課税はなくなりますが、その条件は
@ストックオプションが無償で発行されていること A対象者は役職員または子会社の役職員 B対象者と会社で付与契約を締結すること C新株予約権が譲渡不可であること D付与決議から2年間は行使できないこと、10年以内であること E行使価額は発行時の時価以上であること F権利行使により取得した株式の保管・管理が証券会社に委託されていること G年間権利行使価額が1200万円以下であること H大株主でないこと(未公開企業においては1/3) 等です。 (租税特別措置法第29条の2) 以上の条件(とくにH)から考えて、2002年以前のようにタダに近い値段でオーナー社長にオプ ションを付与していた時代には戻れないことがわかります。 実はこれだけでは済まないので続きます。会社法E追補 費用計上云々
ワラント債の時代(知っている人は本文に戻って下さい)。
20世紀後半の旧商法の時代、日本では新株を取得するオプションの発行が禁止されていました。その代替手段とし て、日本のVCは未上場企業に対して新株引受権付社債(WB)の発行を勧めました。 大まかなスキームは以下の通りです @株価が安いうちに、安い行使価額で大量のWBを発行する Aそれを一旦VCが全額引き受ける。 B社債券と新株引受権証券を切り離し、新株引受権証券の90〜100%を経営者(またはその親族)に譲渡する。 Cその後社債を発行会社が買入消却する。 DオーナーとVCに大量の新株引受権証券(要するにオプション)が残る。 VCが新株引受権付社債を勧めるのは、「それしか方法がないから」という理由もありますが、もう一つの理由は 「多額の投資をしたいから」、裏の理由は「儲かるから」でした。 例えば発行済株式数1,000株、税務上の株価が100,000円のオーナー会社があるとします。この会社に50百万円投 資するとしましょう。 @何の工夫(?)もせず50百万円投資するとVCの持株比率は 500÷(1,000+500)=33.3333% となります。これでは社長のシェアが小さくなってしまいますし、株主構成がいびつになってしまいます。 Aここで株と同時に新株引受権付社債を200百万円(潜在株2,000株分)発行し、新株引受券証券は社長に全部お 譲りしましょう。 VCの持株比率は500÷(1,000+500+2,000)=14.2857% これなら社長も大満足(!?)です。 しかもWB発行時には発行フィー(引受手数料と言ったら証取法違反だ)1%〜(200万円〜)、社長からは新株引受権 証券の代金1%(200万円)、しかも支払った200百万円は親会社の預金か中国ファンドで拘束して元本+経過利子付 で数日後に返してもらいます(買入消却)。某長信銀系VCはこの作業を1日でやっていましたから、1日で最低2%、 10日換算でで22%、闇金並みの高収益です(!?)。 ちなみにワラントバリュー(新株引受権証券の価値)が行使総額の1%なのは「業界の慣行」なので根拠はありませ ん。 上へ
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